2014-03-09

リンパドレナージ講習会

がん患者会が主催する「リンパドレナージ講習会」に参加しました。

参加者は20人くらいだったかな?見たところわたしより若い人はいませんでした。
講習会が始まるまでの間、あちこちから聞こえてくる会話を盗み聞き?していると、自分のがん治療内容、かかっている病院などを交換し合い、

「あら~、あなた、半年でXXなら優秀よぉ~。わたしなんてXXXX」
「よかったわねえ~。もうすっかりXXXXXで~」(伏字に深い意味はなく、聞き取れなかっただけ)

など頷き合っているのが興味深く、たいへんな治療をされていて辛くても、女性はおしゃべりでそれを解消できるんだなー。実にたくましい!
・・・と心の中で賞賛していました。
きっとこういう会に積極的に参加するのも、やっぱりだんぜん女性が多いのでしょう。


わたしは今回、

「浮腫」がどういうものなのか?
なぜ起きるのか?
リンパ節を切除していなくても「浮腫」の可能性はあるのか?
乳がん患者さん向けのヨガクラスを行う際にアドバイスできること、気を付けるべきこと

などを知りたくて参加しました。
まずはそのメカニズムから説明を聞きましたが、人間のカラダってただ生きているだけで実にいろいろな働きをしてくれていることに、あらためて驚かされました。


生きてるってスゲー


血液の役割、リンパ液の役割、全身にあるリンパ節の数、リンパ線がどう巡っているのか、リンパ節を取るということはどういうことなのか。
知らなかったことばかり。
そしてとってもコワイ蜂窩識炎について。
予兆として現れるサインを見逃さないこと、炎症を起こさないために日常生活で注意すること、サインが出たときにどう対処するか。

正直、一度「浮腫」になってしまったら、この炎症を起こさないために常に注意していないといけないのか!!!!と驚きを隠せませんでした。
たった30分、大きな剪定バサミを使って庭木のお手入れをしていただけで炎症を起こした例とか、旅行に行って渋滞に合ったら炎症になった例とか、聞いてびっくりの話ばかりでした。
そんな可能性があるなんてこと、患者である自分ですら知らなかったのだから、家族や周囲の人はそこまで気遣ってくれないでしょう。
であれば、やっぱり自分の身は自分で守るしかないのです。


わたしにとってちょっとショックだったのは、「浮腫」のリスクについては、たとえセンチネル検査で済んでいたとしても、リンパ節をいじった人は予備軍であるということ。
リンパ節を切除した患者さんより、放射線治療をした患者さんに浮腫の発症率が増えているというデータもあるらしく、10年以上前に全摘した以後、一度も浮腫になったことはないと言っていた女性が「わたし、放射線治療してないわ」と言っていたので、ちょっと信憑性ありそうです。


具体的なリンパドレナージのやり方、これはとても勉強になりました。

絶対、皮膚をこすってはいけない。
手のひらを使ってゆっくり(3秒で1回くらい)、ねちっこく(笑)、円を描くように行う。
力はいれない。


マッサージを行う前には必ず準備運動?を行う。

↑↑↑

これがわたしにはヒット。
準備として行うのは肩まわしと腹式呼吸。
肩回しは外側にだけ大きく回すのですが、これ、肩を回すことで鎖骨の中央あたりにあるリンパを刺激するんだそうです。
なぜ内側へは回さないんですか?と質問をしたら、内側へ回しても、鎖骨付近の皮膚はあまり動かないので、効果は少ないそう。
腹式呼吸はお腹?のへんにあるリンパを刺激するらしい。

これまで2回開催した乳がんヨガでも肩回しと呼吸、これは必ずやりました。あくまで身体をほぐすこととリラックスのための呼吸法だったのですが、リンパも刺激するとなれば、もっと効果的に組み込もう!


そして、次の段階としてリンパを流れやすくする手順をふんではじめて、浮腫の出ている部位のドレナージに入る・・・という流れ。


最後に患者さん同士で簡単な自己紹介をして、疑問などをシェアしました。
わたしはこれまで患者会に積極的に関わろうと思っていたわけではありません。
なぜかというと、単純にコワイのです。
他人の体験談を聞くだけでいたたまれなくなるのです。

わたしは極端な怖がりで、ツライことや痛いことに耐えられる精神力がありません。検査ですら、コワイ。検査のことを考えすぎるとパニック障害の症状が出そうになります。
他人の体験でも自分がそうだったら・・・と思うと耐えられないのです。
だから、自分よりずっと大変な経験をしてる方たちの話を聞くと、耐えて、乗り越えて、エライなあ、すごいなあ、わたしにはできないだろうなあという思いとともに、その痛みや苦しみを想像してとても苦しくなる・・・。
皆さんのお話はもちろん、いろいろ参考になったのだけれど、正直わたしのココロがとても疲れました。


病気の治療にはいろんなケースがあるし、時代が変われば手術方法も治療方法も変わります。
様々な情報を持つことは必要かもしれないけれど、わたしの場合、知りすぎるとかえって不安ばかりが募ってしまうので、ネットで検索しまくるようなことはしないことにしています。
同じ病気の人のブログや体験談、これもじっくり読んでしまうと辛いので、さらっとしか見ないことにしています。
不安になればきりがない。でも最低限、知らないと防げるものも防げない・・・。
ああ、難しいせめぎ合い。


まずは、今回の講習会で学んだことを活かして、次回以降の乳がんヨガでリンパを刺激することも取り入れていこうと思います!