2016-11-23

BBCが選ぶ”女性100人” の報道に違和感

ニュースで「BBCが選ぶ"女性100人"」に初めて日本人として乳がん闘病中の小林真央さんが選ばれたと報じられていた。


・・・なんだかわからないけどすごい違和感を感じる。
それに選ばれたことは素晴らしいこととか誇らしいことなの?
この報道には逆に引いた。


たとえば昨年、「片付けコンサルタント」のこんまりさんが「TIME誌"「最も影響力のある100人"」に選ばれたというのは、紛れもなく納得の事実だったし、こんな違和感は抱かなかった。
素直に「こんまりさん、スバラシイ!」と日本人として誇らしく思った。

それにBBCがそんな発表を毎年(?)しているということも知らなかった。
「日本人で初めて」だから、初めて日本でクローズアップされた発表だよね・・・。


芸能人というか有名人で病気を公表して、闘病しているひとはほかにもいると思うのに、なぜ今、彼女がわざわざ選ばれるのか?

・・・有名な歌舞伎俳優の妻だから?
・・・いかにも悲劇のヒロインに仕立てあげやすい雰囲気のひとだから?
とバイアスをかけてしまうのはわたしだけか???


有名人でなければ病気を公表する必要もなく、最終的には本人の前向きな意志でブログを始めたとはいえ、そこに至るまでには有名人という立場故の悩みや苦しみがあっただろうとは推察する。



だけど、闘病は美談ではない。・・・とわたしは思っている。



わたしの周りには、同じように苦しみを乗り越えた(乗り越えようとしている)人はたくさんいる。
しかもみんな驚くほど前向きなひとたちばかりだ。
彼女だけが特別なわけじゃない。特別なのは有名人であるということだけ。

わたしは彼女の闘病に対して、どんな思いで毎日を過ごしていたかと、(病気の深刻度は違えど)同じ罹患者として共感するし、良好に向かうよう陰ながら祈るような気持ちもある。
でも彼女のブログを読んで特別な思いに駆られることはない。罹患者はみんな、彼女のブログに綴られているのと同じような思いで淡々と向き合っていると思う。


たくさんの人が彼女のブログにアクセスしているようにも報じられているけど、あのブログシステムは、意図的ではないにしても、アクセス数がかなり水増しされるらしいというインターネット記事を見かけた。ほかの解析システムとは明らかにアクセス数が違うらしい。(わたしはそのブログシステムを使っていないので比較検証のしようがないけれど。)
一方でそんな事実もありながら、たくさんの人が勇気づけられている、感動している、みたいに、なんだかあたかも彼女だけが高尚なことをしているかのように、マスコミが煽るのはいかがなものか?


これが非常に症例の少ない難病のケースで、本人が病気を理解してもらうために積極的にメディアに広めたい・・・というものであるなら、違和感は抱かない。
感動を与えたとか、影響を与えたとか、そういうことに病気や闘病を利用しないでほしい。





2016-11-19

悪いうさぎ

本を増やさないために、紙の本はできるだけ買わないようにしようと思っているのに。
時間つぶしに本屋に入ったら、


目が合っちゃったというか・・・、

出会うべくして出会ってしまったというか・・・、

本がわたしを呼びに来た、が一番しっくりくる表現かな。


「悪いうさぎ」若竹七海著


オフィスの近くのしょぼーーーーーい図書館にふらりと入ったとき、
たまたまこの本の背表紙が目に飛び込んできた。

わかるかな?ほら、よくあるマンガのコマ表現で、
放射線状に線がシュババババってなってて
その中心が目立つようになってるやつ。
そんなかんじ。

わたしのヘタな絵で示すとこんなかんじ↓



気になる・・・
すごい気になる、この本・・・。
と本の背に指をかけて傾けては戻し。傾けては戻し。
結局そのときは本を借りるところまではいかなかった。


それが。
単行本ではなく文庫本でずらっとわたしの目線に並んでいるじゃないの!


あ~。呼ばれちゃった。
買うしかないでしょ。
押しに弱いのよ、わたし。


2016-11-18

ひそかにファンだったエッセイスト 雨宮まみさん

共感できるエッセイストとしてファンだった、雨宮まみさんが急逝した、と知った。
にわかには信じられない事実だった。


わたしが彼女の文章を初めて読んだのは、web連載「女の子よ銃をとれ」だった。
もう、いちいち「そうそう、わかる〜、わかる〜」と頷くところ満載の内容で。

あ、これが「こじらせ女子」なのね。
なんだ、わたしも「こじらせ女子」じゃん(だったじゃん、かな?)

ということに気付いたんだった。


本として出版されることになったからか、web連載のバックナンバーは読むことができなくなったのだけど、その後、「穴の底でお待ちしています」という悩み相談では、彼女の回答が、なんというか、

押しつけることもなく、
かといって突き放すでもなく、
独特の比喩を使いながら、
決して相談者や読み手を後ろ向きにさせないアドバイスをしている

のに感心していた。そして相談者の文章の裏側にある空気感(環境といったほうがいいのかなあ?)をすごく鋭く汲み上げるひとだなあとも思っていた。
そのセンスがすごく好きだったのになあ。



直接知っているひとではないのに、

彼女の死が、ちょっとひりっときた。




2016-11-14

カイロ・タイム~異邦人~


Huluで視聴。
まったく予備知識なく、映画の内容をざっと眺め、

女性誌の編集者ジュリエットは、パレスチナのガザ地区で働いている国連職員の夫マークと待ち合わせ、カイロで休暇を一緒に過ごす予定だった。しかし、マークはトラブルで到着が遅れ、彼女は見知らぬ異国の街で・・・


夫がトラブルに巻き込まれるサスペンスかな?
と見始めたところ、実は



切ないラブストーリー



だった・・・。orz。
しかもオトナのね、ラブストーリー。
そしてLOVEまでいかないラブストーリー。


主人公ジュリエット演じる女優さん パトリシア・クラークソン という人をわたしは知らなかったんだけど、上品なこと、この上ない。
駆け落ち結婚した息子と大学を卒業したばかりの娘がいるという設定なので、50代前半の役なのかな?ひょっとするとわたしくらいの年齢の役なのかも。
1956年生まれ。現在56歳。まったくオバサンぽくない。
細い!スタイルいい!お腹出てない!!!
作品中でいつもステキなワンピースを着ていて、彼女が画面に現れると引き込まれちゃうのね~。
醸し出す雰囲気が美しすぎる。ん~それはやっぱり、品があるからかなあ~。
セリフのひとつひとつが、なんだかとても美しくて、魅入ってしまった。


内容はというと、
見る側を焦らすだけ焦らして肩すかしの、切なく淡い恋?なんだけど、
なんだかわかる気がする、こんな感覚。

昔、大ヒットした「恋に落ちて」という映画を観た頃は、自分が若かったので


プラトニックなんてありえねー!
しかもアナタたち、いつも愛を確かめ合っちゃう外国人でしょ!


と正直思ったものだけど、
さすがにこの年齢になると、わたしがジュリエットでもこうするかもねと
共感しちゃうものなのね・・・。
なんかスッキリはしないんだけど、これでよかったよねえ・・・と
ちょっと心に沁みる映画だった。



エジプト、行ってみたい。












2016-11-12

35年後のミラクル

中学時代のクラスメイトで女子会。
直前に都合が悪くなったコもいて、結果集まれたのは4人だったけど、地元にいるコの方が多いので、またそんなチャンスもあるでしょう。

この日の話題はこれ。
撮影したJさんが提供してくれた!


卒業後に何人かで誘い合って後楽園遊園地に行ったときの写真。
昭和の香りがぷんぷんする写真だ。
わたしが着てるブルゾン?パーカー?カンガルーポケットになっていて、気に入ってたんだ。


そして35年後にこうして集まったのもこの写真に写っている(&撮ってる)のと同じメンツ。



ミラクル~!!!!!!



と言わずして何と言う。



誰が言いだしっぺで遊園地に行くことになったのか?
待ち合わせはさざんかさっちゃんだったか?
男子は誰が一緒だったか?
この写真に写っていない女子はいたか?


もはやそのへんの記憶は掘り起こそうとも何も出てこない。




2016-11-05

氷の棘が融けたとき

実家に帰ったとき、自分の中で封印していた古いアルバムを出してみた。
あまりにたくさんある中から、とりあえず近々会う中学の同級生に関するものがないかと探してみたけど、遠足の集合写真以外はどうも処分したらしい。

でも思いがけず、あまりに懐かしいものが出てきた。


中学2年の合唱祭で歌った「Yesterday」の楽譜!


もともとわら半紙?みたいな紙にコピーされているんだけど、その紙が、もう、やわやわに劣化していて、ちょっと力入れたら破れそう・・・。
今まで絶対開きたくなかった卒業アルバムに挟まっていた。
この曲でわたしたちは優勝したし、その合唱祭の翌日、ジョン・レノンが暗殺されたので、印象深い出来事として記憶に焼き付いてる。


クラス替えがなく、同じメンバーの3年生の合唱祭では「Let it be」を。この時は優勝は逃したんだっけなあ?


楽譜とは別の、小さなプリントの英語の歌詞。カタカナふってるところが中学生っぽい(苦笑)。
たたんであった部分が破れてボロボロ。
おかげでこの2曲は今でも歌詞をちゃんと覚えてる。



GWに中学時代のクラスメイトと再会して、LINEのグループトークで夜な夜な35年前の記憶を仲間と掘り起こしているうちに、わたしの胸に刺さってた氷の棘が、じわじわと融けていくみたいだった。
封印していた中学時代の黒塗りの歴史の、その黒塗りの下には、実は楽しい出来事がたくさん隠れてた。


合唱祭で自分が歌ってる写真もあった。


「ちびでブスで暗くて地味なわたし」


と思っていたけど・・・


あれ?それなりにごくフツーのコドモじゃね????


・・・って思ったんだけど・・・(苦笑)
前髪、いっしょうけんめい"くるん"ってカールさせてるわ。いじらし。



物事は、視点が変わるとまるで違うもののように見えるものなのね。
そこまで卑下する必要もなかったんだなあ。
生きててごめんなさい、くらい思って生きてたよ。




2016-11-03

ビロードのうさぎ The Velveteen Rabbit

ひまつぶしにジュンク堂へ行ったら、クリスマスへ向けて絵本のコーナーが充実していた。
見るからにかわいい絵本がいっぱいあって、ひとつひとつ手にとって眺めたくなる。
絵本の挿絵って、うっとりしちゃう。

知っているタイトルを見つけたので、立ち読みを始めた・・・



ら・・・・・




話が進むうちにぶわーーーーと涙が溢れてきて





ああああ、立ち読みなのに、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ





と踏ん張ってみたけど

やっぱり


ダバーーーーーっと泣いてしまったorz。



ビロードのうさぎ


TVドラマ「flesh and bone」で主人公クレアが"大事な本なの"と抱きしめてた。
「ほんもの」を求める(探す)主人公の想いを、この本で示唆していたのね。



この絵本の挿絵がとても良くて。

ぬいぐるみの質感。
ほんもののうさぎの質感。

ぬいぐるみの瞳。
ほんもののうさぎの瞳。

こういうものを描き出せることに感動してしまう。



もし子供がいたとして、読み聞かせてあげようと思っても
絶対途中で自分が泣いて、終わりまで読めないな。