2014-04-13

読後記録 「銀二貫」 高田都

NHKの木曜時代劇でドラマ化されましたね。
ずいぶん前に母から文庫本をもらっていたのだけどなかなか読むヒマがなく、ようやく読み始めてみたら。


・・・止まらない!!!!!久々の一気読み。



幾度となく目頭が熱くなり、心に温かいものがじんわりとしみわたります。
登場人物たちの深い人情が、世知辛い現代と対照的だなあと。
寒天問屋「井川屋」の旦那、和助さんの考え方や行動は、もう、ただの商人の域を超えてる!
人の上に立つ人というのは、こういう目配り、心配りができる人でないといけないだろうなと思わせる人物です。
そしてこの和助さんに救われた松吉は、一途に素直に、自分に関わる人たちの温情を理解して、それにきちんと応えて成長していくところが健気。
物語の最後、和助さんと番頭の善次郎が交わすセリフに、悔しいくらい泣かされました。
笑い泣きというか・・・、とっても優しい気持ちになれる涙です。




出来すぎといえば、出来すぎのストーリーかもしれませんが、ほっとするというか、心が融けるというか、久しぶりにいい話を読みました。